逸失利益とは、交通事故による後遺障害が原因で、将来にわたって得られなくなった収入や、労働能力の低下によって失われた利益に対する損害賠償のことです。
後遺障害がなければ得られたはずの収入を補償するもので、被害者の交通事故後の生活のために重要な要素となります。
今回は逸失利益が認められる3つのポイントについて考えていきたいと思います。
逸失利益が認められるポイント3つ
逸失利益が認められるためには、以下のポイントが重要となります。
- 金銭的に評価できる労働に従事しているかどうか
- 事故によって労働能力が低下したかどうか
- 労働能力の低下した期間が長いかどうか
それぞれ確認していきましょう。
金銭的に評価できる労働に従事しているかどうか
逸失利益が認められるポイントとして金銭的に評価できる労働に従事しているかどうかが挙げられます。
逸失利益は、将来の収入の減少を補償するものです。
そのため、交通事故の時点で実際に収入がある会社員や自営業者などは認められやすい傾向にあります。
また学生や未就労者であっても、将来的に収入を得る蓋然性があれば逸失利益が認められる可能性があります。
さらに、専業主婦・主夫なども、家事労働は金銭的に評価できるものといえるので、逸失利益が認められる可能性があります。
事故によって労働能力が低下したかどうか
逸失利益が認められるかどうかのポイントとして、事故によって労働能力が低下したかが挙げられます。
というのも、逸失利益の算定には、事故による怪我が原因で、どの程度労働能力が低下したかを示す「労働能力喪失率」が利用されるためです。
労働能力喪失率は、原則として後遺障害等級に基づいて判断されます。
したがって、後遺障害等級が高ければ高いほど、労働能力の低下が大きいとみなされ、逸失利益も高額になる傾向があります。
なお、労働能力低下を示すには、単に症状が残っているだけでなく、その症状が具体的な労働に支障をきたしていることを医学的・客観的に証明する必要があります。
労働能力の低下した期間が長いかどうか
逸失利益が認められるポイントとして労働能力の低下した期間の長さが考えられます。
労働能力が低下した状態がどのくらいの期間続くかを示す「労働能力喪失期間」も、逸失利益の算定に大きく影響します。
この期間は、原則として症状固定日から、就労可能年齢までです。
年齢が低い被害者ほど喪失期間が長くなるため、逸失利益も高額になる傾向があります。
まとめ
今回は逸失利益が認められるポイントについて考えていきました。
逸失利益が認められるには、まず後遺障害認定を受ける必要があります。
後遺障害認定について、被害者請求を行いたいという方は、行政書士にご相談ください。