格落ち損害とは、交通事故によって乗車していた自動車が破損し、修理をする際に生じる、事故当時の車両価格と修理後の車両価格との差額のことをいいます。
修理したとしても下がってしまった価値についての損害であり、損害が現実化するかどうかも不明なため、賠償の対象になりうるのかが曖昧となっています。
◆格落ち損害は賠償の対象となるのか
格落ち損害は上記のとおり賠償の対象となるかが曖昧であり、かつ裁判所の判断も明確な基準が示されていないため、大変ちぐはぐなものとなっています。
裁判所の判断の傾向から、
①初年度登録からの期間
②走行距離
③損傷の箇所
④事故車両の人気
⑤購入時の価格
⑥中古車市場での通常価格
を総合的に考慮して、賠償すべきか否かが決められています。
外国車又は国産人気車種の場合には初年度登録から5年(走行距離で6万㎞程度)以上、それ以外の車種の場合には初年度登録から3年(走行距離で4万㎞程度)以上を経過すると、格落ち損は認められづらいとされています。
◆格落ち損害の損害額の算出方法
格落ち損における損害額の算出方法についても、裁判所の判断は分かれています。
①事故時の車両の時価から修理後の価格を控除したもの
②事故後のあるべき時価の割合によるもの
③修理費の一定割合とするもの
④諸要素を考慮して金額を決めるもの
がありますが、裁判所の判断としては上記③④が用いられることがほとんどです。
なお,財団法人日本自動車査定協会に依頼をして、事故減価額証明書を発行してもらい、格落ち損の価格を計算してもらうこともできますが、裁判所はこの価格をあまり重視していません。
◆格落ち損害を行政書士や弁護士に相談するメリット
格落ち損害は認められるかどうかの明確な基準が示されているとはいえません。
そのため保険会社も、格落ち損害を認めず、支払いに応じないところもあるようです。
しかしながら、弁護士に依頼をすると格落ち損害が認められた裁判例をもとに、保険会社と交渉をすることができるので、示談交渉の段階で格落ち損害の賠償を得られる可能性があります。
格落ち損害が得られなかった場合であっても、訴訟やADRなどを用いて、格落ち損害を認めてもらうという方法もあります。
行政書士松浦法務事務所では、弁護士事務所と業務連携をしているため、訴訟に発展した場合であっても、即座に対応をさせていただくことが可能となっています。
行政書士松浦法務事務所では尼崎市、神戸市、大阪市、京都市を中心に「交通事故」や「死亡事故」、「人身事故」、「後遺障害」、「慰謝料請求」、「障害年金」などさまざまなご相談を承っております。
尼崎市、神戸市、大阪市、京都市を中心にさまざまな地域において初回相談無料で対応しておりますので、交通事故等のトラブルでお困りの際にはお気軽に当事務所までご相談ください。
交通事故による「格落ち損害」とは
行政書士松浦法務事務所が提供する基礎知識
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